2008/01/31

新s あらたにす

日経・朝日・読売の三社共同で手掛ける新たなウェブサイト「新s あらたにす http://allatanys.jp/」が本日から開設された。

3紙の一面、社会面、社説を比較して読むことができ、サイト自体もとても見やすい作りになっている。3紙それぞれの思惑や論調の違いから、この構想が世の中に知れ渡ったとき、冷ややかな見方が多かったが、実際にこのサイトを見てみると、今後の展開に非常に期待できるのではないかと感じている。

このサイトは、3紙の論調が異なるからこそ意味がある。経済・グローバル視点の日経、左寄りの朝日、やや右寄りの読売と、政治や経済についてそれぞれの主張を同時に読むことで、複数のものの考え方や見方を知り、そのうえで自らの主張を落とし込んでいくことができるからだ。

知識人は、昔から新聞を4,5紙購読し、毎日、各紙の論調を確認したうえで、自分の見解を整理している。ただ一般的にはそう何紙も新聞を購読することもできないから、このようなサイトの登場によって、手軽に各論調を比較できることは大変喜ばしい。様々な意見に揉まれる事で、多面的な考え方が定着し、世論のレベルが一段とあがっていくことを期待したい。

2008/01/30

組織への忠誠 or 市民としての倫理観


先週末のUCLA Extension で、ロールプレイの題材となったストーリー。

不動産会社Northwest Land社のバイスプレジデントを務めるGreen氏は、難題を抱えていた。

同社は深刻なキャッシュフロー問題に直面しており、Greenバイスプレジデントは社長から、その補填のために保有している土地を売ることでなんとかキャッシュを捻出しろとの指令を出された。同氏は会社が保有している土地の中から工場跡地の土地を売ることにした。そして買い手としても投資ファンドYellowstoneを見つけ出すことができた。その後の交渉はとんとん拍子に進み、土壌汚染等に関する国からの調査もパスし、あとは明日に予定されている最終契約を待つのみ。

しかし事態は急変する。会社の中での一番の友人から、実は、Yellowstoneに売ろうとしている土地は深刻な土壌汚染を抱えているという忠告を受ける。しかも経営層の指令によって、その事実が隠蔽され、国の調査をも捻じ曲げている可能性も否定できないという。

それは大変だということで、社長に掛け合ってみると、国の調査には既にパスし、Yellowstoneも購入することをほぼ合意しているので、このまま案件を進めろと詰め寄られた。確かに、この案件を早くクローズし、キャッシュを得なければNorthwest Land社は倒産の可能性もある。

Yellowstoneとの最終契約は明日つまりあと24時間しかない。。。このような状況下で、あなたがGreen氏だったらばどうしますかというのがお題。



なかなか骨太の課題だった。そして僕が書いてみたのが下記。
やっぱりビジネスパーソンとしての倫理観を優先したいというのが肝。


The dilemma that Mr. Green has faced is very hard to solve especially for a person at his job level, but I personally think that he should act as a good citizen rather than a company soldier.

It looks like a bit complicated story; however, the most important thing is that there are two objectives for Northwest Land at this stage. Firstly, they need cash to solve their cash flow issue, and secondly, they must mitigate the potential legal and reputation risks on the deal, which would have a negative impact on Northwest Land, and be a good corporate citizen in the long run.

Given the situation above, Mr. Green should come up with a plan and solution that will meet these two objectives simultaneously, and persuade the CEO to approve the plan and then implement a series of tasks as soon as possible.

I think that the best solution is 1) to postpone the final contract of the deal for one week or so until an internal environmental safety audit can be done again, 2) to research and find out alternative property that Northwest Land can sell to Yellowstone, and 3) to try to raise funds by alternative means , such as debt finance or equity.

I have two main reasons for this. 1) If the information from Mr. Green’s friend is true and the fact is revealed in the future, Northwest Land will face a crisis situation in terms of legal and reputation aspects. Yellowstone will most likely do an environmental safety check just before they start to build an apartment, which means the truth will be known publicly sooner or later. So Northwest Land should conduct an internal audit on safety again to mitigate the potential risks beforehand even if the possibility is only 1%. I know the fact that the CEO might play a key role in possible fraud, but I think the most important thing is to alert the CEO to the potential risks on this deal again.

Secondly, 2) There are many options to get cash for Northwest Land. This deal would be one of the options. They can sell other properties to Yellowstone and also get cash from a bank or the stock market.

In summary, Mr. Green should persuade the CEO to make ethical decision as a company by introducing these solutions above, which could mitigate the potential business risks and solve the cash flow issue. This is a very important role for him as vice president.

2008/01/27

Problem Solving

昨日はUCLA Extension第2回目。

会議の効果的且つ効率的な進め方や、建設的な議論の組み立て方などを徹底的なロールプレイで学んだ。その中で、問題解決のためにどう話の展開を持っていったらいいかというメソッドも話題にのぼった。それが以下の6つのステップ。


1. Define problem
2. Establish criteria for a workable solution
3. Analyze the problem
4. Suggest possible solutions
5. Evaluate each solution and select best one
6. Suggest ways for testing or carrying out the solutions


日本語で日本人相手でもこの手の会議の取りまとめは難しいのだから、英語でインターナショナルな国籍の人々と論議し合うには、一定レベルの自分なりの論理的展開手法を身につけるのは必須だと痛感した。

2008/01/21

コーヒーハウス

大阪大学学長 鷲田清一氏が、今朝の日経のインタビュー記事で、「議論できる喫茶店=コーヒーハウス」の立ち上げに言及し、その重要性を説いていた。

コーヒーハウスとは、17世紀後半にイギリスで生れた社交場で、中産階級の人が集まって政治社会を論じたことで公論が形成され、ジャーナリズムが生れる場所となり政治への重要な役割を果たした。18世紀にかけて3,000ほど作られたという。

個人が政治や経済について問題意識を持ち合い、コーヒーハウスで論じ合い、それが最終的には世論のレベルを底上げする。いわゆるgrass-roots democracyで重要な役割を果たしたのだと思われる。

インターネットの発展によって、コーヒーハウスのバーチャル版のようなものは、ちらほらと出来始めてはいる。Yahoo! みんなの政治ele-logなどがそうだ。しかしながら、ネットの匿名性や当事者意識の欠如という特性から、建設的な議論というのは今のところ期待できないと思う。

だからこそ、コーヒーハウスのようなリアルの場の重要性については僕も同感だ。日本で1000くらいのコーヒーハウスが出来て、それがネットを取り込んでのムーブメントとなれば、日本の民主主義をも大きく変革する可能性もある。

2008/01/20

平穏な週末

今年になって初めてゆっくりゆったりと休息できた週末。

行きつけの焼肉店にでたらふくカルビやホルモンを食べたり、お世話になっている近所の魚屋さんで美味しい刺身や焼き魚を肴に冷えたビールを飲んだり、うなぎ食べたり、ベトナム料理でフォーに感激したりと、忙しくて食事の時間をおろそかにしていた期間を取り戻してみた。

やっぱり食生活はリズムを保つには最重要だ。

2008/01/19

UCLA Extension 始動!

英語力のレベルアップにと申し込んでいたUCLA Extension 英語コミュニケーションプログラムが今日から始まった。

僕が受講しているのは、Intermediate Level の土曜日クラスで、これから3ヶ月間、11回にわたって、各3時間のレッスンに参加する。宿題やオンラインでの学習課題も出されたりと本場UCLAのエクステンションプログラムだけあって本格的だ。

これまでも英語にはかなりの時間と投資を続けてきた。留学経験もなく、学校での英語学習レベルの能力で、社会人一年目から外資系企業の顧客を担当することになり、以来、必死で勉強をしてきたつもりだ。英会話スクールに通ったこともあるし、個人レッスンも数年間受けていた、さらにTOEICを勉強して865点を獲得するなどと、自分でも上達の実感はあるのだが、でもやっぱり完全には自信が持てずにいた。

その間も英語を使ったプロジェクトに数多く参画し、英語の壁に何度もぶち当たってきて、自らの課題がなんとなく見えてきた。そんなときに日経の記事で見つけたのがこのUCLAのプログラム。ロールプレイをひたすらくりかえしてスピーキングスキルを向上させ、さらにライティングについては、講師による添削も受けられる。しかもその講師の質が非常に高い。これだ!と思って、昨年末のボーナスからの自己投資として申し込んだのである。

初レッスンを受けて、この3ヶ月間必死で勉強を続ければ、自分の中で英語に自信が持てそうな実感が湧いてきた。これまでの英語学習の集大成として努力を続けたいと思う。

2008/01/18

小さな習慣

今年の始まりは、まさに急アクセル、急発進。

初日に新規案件の話が舞い込み、以来、三連休も含めて早朝から深夜までのまさに臨戦体制だ。しかしこういう激務の時期には、生活のリズムが乱れる。年初に決めたこのブログの更新も滞ってしまったし、他にも習慣としてやってきたことが御座なりになった。忙しいときこそ、自分を律して、生活や習慣のバランスを保つことが重要だと痛感している。

そのためには2つのことが必要だと思う。まずは、①当たり前の習慣を崩さないこと。例えば、朝食をきちんと自宅でとる、新聞には自宅で目を通す、靴を磨く、などの朝の日課のような小さな習慣を忙しいからといって止めないことだ。このような小さな習慣が生活にリズムを与えて、自分にメリハリを与えてくれる。

そして次に、② インプットを絶やさないこと。つまり日頃の情報収集を止めないようにしなければならない。忙しいときには当然ながら業務というアウトプットが中心の日々になる。しかしながら、良質のアウトプットを中長期に亘って保つためには、やはり毎日のインプットが欠かせない。新聞やTVニュース、Webサイトのチェック、メルマガの購読、そして知人との情報交換や街での発見など、このような習慣なくしてはいいアイデアは生れない。

今後もこの2つのポイントを心に刻んで仕事に励んでいきたい。

2008/01/10

人口減にどう対応するのか

日本総合研究所理事を務める翁百合氏が今朝の日本経済新聞 経済教室に寄稿した記事も、先日の冨山氏のものと同じく、若者世代のひとりとして、今後の日本社会のあり方について考えるうえで、とても良い道標になった。

「現役世代以上にこれからの社会を担う将来世代の視点に立ち、企業人自身も生活者の視点を持って、
希望の持てる社会を目指すべきだ」という同氏の主張は、とても含蓄に富む。

日本の総人口が減少することにより、当然ながら「現役世代」とされる労働者層も減り、経済および経営の重要要素のひとつである「ヒト」は右肩下がりの状況が続く。2006年に、約1億2778万人でピークを迎えた日本の総人口は、2100年には推定で約5000万人にまで減り、20世紀初頭のレベルにまで落ち込むというデータは、改めて見てもショックな数字だ。


この人口減に伴い、翁氏は「高齢者世代の新たな雇用体系のあり方」と「多様な働き方の推進」、そして「国家財源の再考」などの施策を挙げている。現状の60歳もしくは65歳の定年制は見直すべきだと僕も思うし、将来の世代にとって負担をこれ以上強いることのないような財政の健全化も待ったなしである。中でも僕が一番共感を覚えたのが、「多様な働き方の推進」である。人口減により、これまでのような男性中心の日本的雇用慣行に支えられた働き方は転換しつつあるし、それに伴って、女性やシニア層、外国人などが働きやすいような環境を整備することは日本社会が早期に考えなければならない課題であろう。


このような中では、企業のリーダー像も変化し、個人としての生活者感覚を持ち、従業員にもそうした感覚に基づく職業生活の機会を積極的に提供していくことが求められる、とする翁氏の主張はもっともだ。「保育園の充実」「育児を地域社会で担える環境整備」「家庭における男女の役割分担の見直し」などの具体策も挙げられていた。


さらに人口減の日本を市場として見ればジリ貧であり、日本企業はより一層の海外展開を推進しなければならないことに触れ、邦銀のレベルアップと多額の金融資産を保有する日本人が投資家へと変貌を遂げる必要性を説いており、これも
先日読んだ書籍の中の大前氏の意見とも合致し、非常に納得感があった。

2008/01/09

たったの3分

毎日の通勤でよく思うことがある。

僕の利用している路線は、各駅停車が2,3本に対して急行が1本くらいの割合で走っているのだか、混む列車と空いている列車は明らかに法則性がある。特に帰りの電車はそれが如実に出る。狙い目は急行前の各駅停車だ。このタイミングの各駅の列車だと、大抵は空いている。

しかしながら、多くの人はこのことを認識していないのか、めちゃむちゃはちゃめちゃに混んでいる電車に乗り込もうと挑む。たった3分の違いなのだ。

考えすぎかもしれないが、ここに日本人の国民性が表れているようにも思う。つまり与えられた状況をただただ場当たり的に受け入れるだけで、深く物事を考えようとしないのではないだろうか。

話を少し広げてみるが、最近の株主と事業会社の対立の構造では、「短期的」と「長期的」ということがよく言われる。変化をきたす提案をする株主は、自らの利益しか鑑みない短期的なハゲダカだとされ、事業会社は、粛々と事業を展開する長期的視点に立っているとされる。

しかしこの論調にはとても違和感がある。株主の行動が短期的に見えるのは、事業会社がただたんにいろいろな側面から物事を考えていなかっただけで、彼らの言う長期的というのは、現状に甘んじることで思考を停止し、問題を棚上げして、事なかれ主義に終始しているにすぎない。

日本社会がもう少し「考える」力を身につけていくことで、企業社会も日本経済も変わっていくような気がする。

2008/01/08

後世への富継承こそ品格

今朝の日本経済新聞「経済教室」に、元産業再生機構専務で、現在は経営共創基盤代表取締役の冨山和彦氏の寄稿が掲載されていたが、若者のひとりとして同氏の主張には非常に賛同でき、このような意見が国全体で共有されることを期待したい。

冒頭では、衰退した日本経済に触れ、「日本はカネを稼ぐこともできない国」になりつつあるとの主張を展開する。日本経済を支えるトップ企業は、総じて輸出型企業が多く、それらの企業を中心に形成されている日本株式会社は、当然ながら外需主導型経済である。つまり世界の強国であるアメリカや欧州諸国、そして急速にそのマーケットを拡大している中国やインドの需要に大きく左右されるという、いわば他力本願の経済というのが実情であろう。

このようにグローバル経済から多大な恩恵を受けているのにも関わらず、日本経済は江戸時代の鎖国を引き継いでいるのかと思ってしまうほど、アンチ・グローバルの経営方針を掲げている。グローバル経済の一員でありながら、世界のベクトルと相反するような内向きの施策を次々に展開している日本企業には、外国人投資家もそっぽを向きつつあることも不思議ではない。

そして詰まるところ、外需主導型経済では、国内よりも国外を潤すための経済システムになっているため、その恩恵を日本国民が享受するには、これらの企業の株式を家計が保有することであるという同氏の論理も非常に納得感がある。大前研一氏も、この国民皆投資家という方向性が、唯一日本の国力を維持する手法だということは年末に読んだこの書籍にもまとめられていた。

また、日本が抱える問題や課題は、「世代間対立」や「既得権益をめぐる対立」の構図がその根底にあるとする。特に世代間対立については、僕が最も懸念するトピックであり、冨山氏も言及しているように年金など社会保障の問題で、多数派である中高年世代と少数派である若者との間で深刻な利害対立を生み出している。僕は若者世代は、もっともっとこの点に注目するべきだと思う。そうすれば世代別に議員定数を配分して政治における影響力を差別化していくというような冨山氏の斬新なアイデアにももっと注目が浴び、賛同が沸き起こるのではないか。

2008/01/06

日本テレビ ACTION

こういう報道番組を待っていた。日本テレビの『ACTION 日本を動かすプロジェクト』である。

正直、ここ最近の各局の報道番組には、視聴者としてあまり共感できるものがなく、TVメディアへの期待が薄れていたので、今回、日本テレビがこのような取り組みを先陣を切って進めることは非常に喜ばしいし、今後の展開の期待したい。

今夜の特番を見て、食品偽装や医療、教育などのテーマを同局の4つの報道番組でそれぞれ深堀して報道を続けていくというこの試みは、従来のいわばちんどんやのように面白おかしくニュースを垂れ流すというTVジャーナリズムのスタイルに一石を投じることができるのではないかと感じた。

個人的には、「高齢化社会の活性化方法」、「日本の国際競争力の行く末」、「日本の金融力の高め方」などのトピックも取り上げてもらえればと願っている。

2008/01/05

会社の品格


まさに目から鱗。この本によって、これまで自分の中で結論が出ずに、もやもやしていた「会社」という存在のあるべき姿を方向性についての道標を示してもらうことができた感じがする。さらに、仕事や組織、マネージャー、キャリアといったことを深く掘り下げて捉え、再考するとても良いきっかけとなった。

「会社はだれのものか」、この問いかけは、ここ最近の日本において熱く議論されているトピックであるが、「会社は株主のものである」という結論に半ば落ち着いてきているような気もする。確かに法律的には、会社は株主のものであり、会社という法人は、株主価値を向上する努力をしなければならない。これは揺るぎない事実だ。

しかしながら、会社という存在を支え続けてきた人材という分野の専門家である小笹社長の分析と考え方に触れ、「会社は株主のもの...だけではない」という自分なりの結論が明確になった。「会社は株主のものでもあり、経営陣のものでもあり、社員のものでもある」、これが真実だと思う。これまで経済合理性と所有の権利に物を言わせて、株主価値最大化をスローガンに企業へと様々な要求を出してきたファンドや投資家も、自らの主張に加えて社員や取引先、地域社会などといったステークホルダーの便益もよく考慮したうえで、新たな対応をするべきではないだろうかということを強く思う。


「会社というのは、いろんな人が自分なりの意味を投影する共同幻想体である」、「いろんな人たちの欲望を効果的に実現するために、人間が作った発明品である」という表現もとてもしっくりときた。だからこそ会社は経済合理性をいう観点からの行動を最優先していまい、時に不祥事と呼ばれる行き過ぎた事態を引き起こしてしまうのだ。その反省や経済のグローバル化による国際的なビジネス慣習の採用から、コンプライアンス(法令遵守)、コーポレートガバナンス(企業統治)、内部統制、CSRなるものが叫ばれ、行き過ぎた会社を規制し、監視しようという動きが出てきた。

それと時を同じくして、株主至上主義なるものも蔓延し、法的な会社の所有者である株主は、自らの利益最大化のためには手段を選ばすといった状況になってしまった。会社と株主を含むその他の関係者とのつながりは、「相互拘束」から「相互選択」になったのだ。だからこそ株主は「物言う株主」へと変貌を遂げた、顧客もクレームを平然と主張する。小笹社長は、もっと社員も物言う社員として存在感を発揮するべきだとの主張を随所にちりばめている。


組織やキャリアを考えるうえでも非常に示唆に富んだ指摘が数多くまとめられていた。


<会社>


・儲けなど、数字で評される指標以外の使命や目標、つまりビジョンが社員と共有されているかがまずもって重要

・それによって社員が金銭報酬以外の共感を持っているかを判断する

・売上は市場での共感の総量であり、利益は市場から与えられた未来である

・社員をマーケティングするという考えが必要


■ベンチャー企業が陥りがちな問題

① カリスマ依存症 - カリスマの100歩より、社員100人の1歩が必要になってくる

② 戦闘疲弊症 - 品格のある会社は、使う言葉にも品格があるべき

③ マネジメント不全症 - 放置すると重大な品格低下を招く

④ 視野狭窄症 - 社員が猛烈なスピードで走っている会社ほど、注意すべし


■大企業が陥りがちな問題

① 顧客視点欠落症 - ロングセラーの商品・サービスを持ている会社が陥りがち

② 当事者不在症候群 - 誰も責任を負わず、前進より現状維持を望む、危険な症状

③ 既決感蔓延症 - 「どうせ・・・」「所詮・・・」が蔓延し始めたら危険

④ セクショナリズム横行症 - 「官僚的」「お役所仕事」は、品格のなさが露呈した結果


<上司>

・専門性=すごい。人間性=素敵。返報性=ありがたい。一貫性=ブレない。厳格性=厳しい。

・品格のある上司は、自分の頭で考える (自分の頭で考えないと上司が意外に多い)

・品格のある上司のコミュニケーションは報酬になる (上司が生む報酬は無尽蔵に創り出せる)

・品格のある上司は、物事を色メガネで見ない (上司の思い込みは、部下のやる気を著しく損なう)

・品格のある上司は、マイナンス情報にも耳を傾ける (クレームにいやな顔をしたら、もうクレーム情報は来なくなる)

・品格のある上司は、数値化できない事柄でも鋭い嗅覚で判断する (数値からしか判断できない上司に、明るい未来はない)

・品格のある上司は、腹をくくってリスクを恐れない (腹をくくり、時に腹を見せられるかどうか)

・品格のある上司は、両手を広げている (片手で自分をかばいながら歩いている上司の滑稽)

・品格のある上司は、現場に足を運ぶ (脳のシワばかりで心のシワのない頭でっかちな上司にはついていけない)

・非常時にこそ、上司の真の品格が顔をのぞかせる

・タイトルによって、見ている「視界」が異なる


<仕事>

・「納得感」のある仕事 - 会社人と社会人の壁を取り除けているか (自社の商品を、喜んで買いたいと思えるか)

・「使命感」のある仕事 - 命を使う価値を伝えているか (石を積んでいるだけか、教会を造るための作業をしているのか)

・「効力感」のある仕事 - 滅亡する定型 (「改善」「改良」「一所懸命」から、「変革」「創造」「一攫千金」へ)→ 正解があった社会から、正解を創り出す社会

・「普遍性」のある仕事 - どこでも通用するスキルが磨けるか (組織内でしか通用しないスキルの習得は働き手にとってリスクになる)

・「貢献感」のある仕事 - 「ありがとう」の威力に気づいているか (組織内で機能の分化が進むと、想像力が働かなくなる)

・「季節感」のある仕事 - 「心機一転」の効用に気づいているか (日本の組織は、心改まる機会を、わざわざ作り、活用してきた)


そのうえで、会社と個人が変化する社会を生き抜くそれぞれの今後の心構えとして、次のような助言も添えている。


<会社>

・会社内外の情報を開きながら「共同幻想」を創る

・株主や顧客だけでなく、地域社会や社員への徹底した情報開示

・自分を律するルールを作る


<個人>

・「自分株式会社」の視点を持つ

・自分は「時間投資家」であるという自覚を持つ

・消費者の視点、社会人としての視点を忘れない

また機会あるごとに再読したい一冊。

公益志向

昨日4日、大発会の東京市場は、ドル安、原油高の影響を受け、600円以上の下落を見せた。大発会としては過去最大の下げ幅だという。年始早々雲行きの怪しい情勢で、穏やかでない幕開けとなったが、このような状況の中で日本経済新聞の今朝のコラム春秋は示唆に富む。



企業の社会貢献活動、いわゆるCSR (Corporate Social Responsibility)活動と称される取り組みについてまとめられていた。ここでは某飲料メーカーの、売上の一部をアフリカでの井戸掘りに充てるというプログラムを紹介している。そこで非常に興味深かったのは、消費者マインドの変化。様々な企業による取組みの奏功か危機意識の高まりが要因なのかははっきりしないが、消費者は買い物を通じて、「人とつながりたい」、「共に盛り上がりたい」、「何かに参加したい」というような欲求が膨らんでいるのだという。また、いわゆるエコな生活、つまり環境保護を意識した生活を心がける人も増えてきており、ここ1、2年で消費者の自己実現思考が低下し、環境、伝統、義理などを大事にする「公益志向」が強まっているようだ。



地球において温暖化抑制は、もう待ったなしの段階で、今年は京都議定書の計画の1年目にも当たる。日本においても少子高齢化や教育問題、年金、格差、ワーキングプアなど様々な課題が立ちはだかっている。今こそ民間企業がこのような社会の問題の解決に向けた建設的な取り組みを始め、消費者とともに社会のさらなる健全化に邁進する時期だと痛感した。

2008/01/04

地方都市

昨夜は中学時代の同窓会に出席。夕方からの親戚の兄弟会とダブルヘッダーだったので、かなり深酒してしまって今朝は軽く二日酔い気味。でもウコンの力を中盤戦でゴクリと処方しておいたので、なんとか回復してきた。


中学卒業からはや15年、30歳ともなると結婚や子育てなど、それぞれがさまざまな人生のステージに入っていて、自分のライフプランを考えるうえでとても興味深かった。でもみんな昔のままで、バカ話を笑い転げながら楽しんだ。そういう仲間がいるのはやっぱりいいなあとしみじみ感じた。


今回の帰省では、改めて「地方」を考えてみた。一口に地方といっても全国津々浦々いろいろな都市があるわけだが、僕の実家である愛知県はかなり恵まれた地方都市だと思う。トヨタ自動車、JR東海、中部電力などの日本のトップ企業の本拠地であり、特にトヨタ自動車の拠点だけあって、関連会社も数多くあり、自動車関係の仕事に従事している人々が多い。


トヨタの好調な業績に預かって、愛知経済圏は非常に潤っている。職が見つからないといった話は聞かないし、車や高級財などの購入も好調で、建築業も順調のようだ。


そんな僕の故郷である愛知県と東京での生活やそれぞれの景観などを比較してみると次のような違いがあるのではないかと思う。


・スローな時の流れ

まずはなんといっても生活のテンポがスロー。非常にゆったりとしている雰囲気がある。百貨店やスーパー、駅などに足を運んでも、東京のように殺伐として多くの人が我先にと足早に歩く姿はない。そのようなことがどこか温かい雰囲気を生み出し、都市としてなんだかやさしい感覚を受ける。東京で毎日あくせくと働いている身にとっては、やっぱり実家の時の流れはとても落ち着くし、気分が安らぐ。


・昔ながらのサービス

そしてサービスも温かい。東京では、戦うサラリーマンに対して、彼らが好む均質で落ち度のないサービスが求められる。しっかりとした敬語や細かく定められたマニュアル通りの抜かりない対応が良しとされる。一方で地方ではもう少し砕けたというか、フレンドリーな対応が好まれる。例えば駅員でも乗客に「毎度ありがとうございます」と淡々とした挨拶をするよりも、特にご高齢者などには「おばあちゃん、いつもありがとね。お孫さんは元気?」のようなやりとりのほうが自然だ。


・車社会

もちろん車社会で、車がなければ生活はできない。コンビニに行くにもマックやスタバに行くにも、どこに行くにも車がないととても不便。そういう点では、マンション付近にはコンビニが乱立して、銀行もスーパーも商店街も徒歩圏内にあるという東京での便利な生活に慣れてしまった自分には少々辛いものがある。


・裸の街

地方は生活感が如実に染み出た街になっている。東京だと商店街だとか街がひとつのところに集中しているからそんなにも注目することはないのだけど、車社会である地方は、飲食店にしても洋服屋にしてもそれぞれの店舗がぽつりぽつりと点在し、飾り気のない店のいでたちなので、○○寿司や△△焼肉店などがど~んと出てくる感じで、なんとなくかっこ悪い景観になってしまう。生活に必要な店をただ単に乱立させただけのような形だ。その点では東京は地方よりはずっと計画的な街づくりをしているので小奇麗で見た目の景観も格好良く、訪れていても楽しめる街になっている。


スローな時の流れや昔ながらのサービスを残しながらも、住んでいて楽しめるような街が地方にも増えるといいと思う。

2008/01/02

物事を究めるということ

NHK プロフェッショナル仕事の流儀のスペシャル版を見た。今夜は名古屋が生んだ天才イチローの特番。

「物事を究める」ということは、こういうことなんだというのをまだボンヤリとではあるがなんとなく理解できた。
自分の信念に忠実に、そして妥協を排除し、自らの向上に邁進し続ける。並大抵の努力や精神力などでできることではない。
世界の野球界の頂点に君臨するイチローならではの流儀に圧倒された。

しかし、ここ7年間毎日のブランチに奥さんの作ったカレーライスを食べ続けていることには仰天してしまったが..
これはさすがにとても真似できないなぁ。カレーは大好きな料理のひとつだけど。

味噌煮込みうどん会



昨日は中学から15年来の友人と名古屋へ。
ここ最近3、4年の恒例行事となった元旦の山本屋本店への訪問。
名古屋が生んだ絶品料理、味噌煮込みうどんを食した。今日は牡蠣入りを注文。
やっぱりとっても美味!!
赤味噌がまざった味噌の濃厚な味わいとコク、固めのうどん、麺類で一番好きなのがこの山本屋本店の味噌煮込み。

うどんを食べながら、友人と近況を語り合う。仕事のことプライベートなこと含めて、久しぶりの再会に思い出話に花が咲いた。
僕らも大人になったなぁとしみじみ感じた。

2008/01/01

日本の行く道


2008年がスタート。

帰省している実家の愛知県は青々とした空が広がる晴天。まさに元旦に相応しい天気で気持ちがいい。 元旦の事始めとしてジョギングをしてきた。クリスマスから年末にかけての暴飲暴食で体重が普段よりも5キロほども増えてしまったので、今年の心がけたいことのひとつでもある健康の維持ということで早速。
いつもはジムでランニングマシンを使ったジョギングをしているのだけれども、ひさしぶりに実際の道を走ったら、普段よりもバテてしまった。というのも僕の実家は愛知県の岡崎市というところで、特に実家があるところは文字通り「丘」が多く、起伏が激しい。だからアップダウンが激しく、それでもってジム内とは違ってもちろん外だからはじめは寒いし、ちょっと辛いなあと思ってしまったけれど、走り終わってシャワーを浴びたらなんのその、爽快そのもの。いい事始めだった。

今朝方、2008年が始まったちょうどその頃に読み終えた『日本の行く道』。これもまた面白い考察がどっさり詰まった本だった。

「日本がおかしい」という現場把握から始まるのだが、まずは子供社会における変質から分析をし、その後子供を取り巻く家族や学校、地域社会といった周辺環境の変化に言及する。

そして突き詰めるところ、高度成長つまり経済最優先で、社会における倫理観や教育といったものは二の次、三の次で場当たり的に対応してきた、政治家、官僚、企業が、社会の方向性そのものを歪め、現在「日本がおかしい」と言われている最大の原因だと結論付けている。

それで、この「おかしさ」を解消する対処法として時間軸を巻き戻せばいいとする。1960年代の日本。これが橋本さんの考える理想形になる。産業革命や技術革新の負の側面について、こんなにも深く考えてこなかったので、数々の指摘は新鮮だった。確かに自らもご指摘されておられるように、めちゃくちゃな考えも多いのだか、経済最優先でグローバル経済を文字通り戦っている世界の周辺に身を置くひとりとして、世界や日本の現状を客観的に見つめるうえで、橋本さんの主張は傾聴に値すると思う。

僕なりにも「日本がおかしい」と感じる理由を考えてみたのだが、それは日本人がこれまで以上に物事に対して受動的になったこと。これは橋本さんも指摘している。つまり与えられたことだけをこなし、自ら創造し切り開いていくという精神が弱くなっていることだ。この現象の根底には、日本はみんな裕福になって、意気込む動機付けを失っていることや、日本の教育システムが、権力に順応な記憶力マシーンを造成することのみに力を注いできたことがあると思う。

改めて企業人ひとりひとりの意識改革や教育制度の抜本的改革は、非常に重要であると身にしみて感じた。

この本のなかで、さらに2つの興味深い指摘が印象に残った。ひとつは日本人が物事に対して受動的なのは、戦後の教育システムよりももっと以前の苦い経験から始まっているという指摘。明治維新の立役者となった薩摩藩と長州藩が、維新前にそれぞれ諸外国と戦争に敗れたことに大きく関係しているというのである。つまり薩摩と長州は無謀にも諸外国の軍隊との戦争を仕掛けたが敗れる。そこで「圧倒的に強い西洋先進国の脅威」というものが脳に染み込み、その脅威に対抗するために追いつけ、追い越せの精神が沸き起こる。

つまりこれまで明治維新以来ずっと日本人は西洋という目標があってそれを目指してきたのだ。目の先にニンジンを垂らされ、それに向かってまい進すればよかった。しかしながら、高度成長によって日本は西洋に追いつき、追い越した。そこで目標となる存在や課題が消え、急速に原動力がなくなっていったというわけだ。この説は非常に説得力があった。

もうひとつは明治維新以来、日本はずっと官僚国家だったということ。主権者は天皇であり、国政トップは内閣総理大臣ということではあったが、天皇が内閣総理大臣を任命するためには元勲と呼ばれる薩摩、長州、公家からなる9名のメンバーからの推薦が必要だったのだ。これはこの9人が国家権力の中枢にいるといってもいいシステムであり、後に廃止はされるものの、その間、このメンバー間から内閣総理大臣が生まれ、彼らのもとで働く官僚という職を設けたりと既得権益掌握のための下地作りを着々と行っていった。そしてこれらのシステムは現代にも通じており、彼らに近い官僚が政治家へと転進を遂げ、それらが自民党の中核となっている。

未来を考えるには、まずは現在を、そして過去を歴史を分析することが重要と諭す橋本さんの考えには、とても興味をそそられてまたいろいろな関心が広がりそうだ。