2008/10/04

広報の真髄


広報の表向きの大義というのは、「広く社会のステークホルダーとの関係を良好に保ち、対話を進めていくこと」だとよく言われているが、企業広報の立場からすると、その真髄は、つまるところ「火消し」、危機管理にあると改めて感じている。


広報とひとくちに言っても、企業や組織そのものの広報である「企業広報=コーポレートコミュニケーションズ」と、商品やサービスの宣伝、販促を支援する「商品・サービス広報」に大別できる。


前者は、法務や渉外といった企業防衛の機能に近く、後者は、広告的な機能、日本で言うところのPR=ピーアールの役割を担う。それぞれの最終的な目的も異なり、
「企業広報=コーポレートコミュニケーションズ」というのは、その企業や組織のよいイメージを継続的に作りだしていくことであり、「商品・サービス広報」については、売上や収益の最大化ということになる。


オペレーションにまでおとして考えてみても、
「企業広報=コーポレートコミュニケーションズ」が付き合うメディアは、経済部や社会部などの記者が多く、「商品・サービス広報」は、生活部や情報紹介欄担当の記者との関係が深くなる。メディアとの距離感というか、その関係も異なり、前者では、貸し借りの論理がものをいい、時に激しくやりあっていく対等関係・同士の関係にあり、一方の後者については、メディアが求めている情報を見繕いお届けするというような、ある意味メディア上位の構図になる。


少々話がそれたけれども、広報の真髄というところに戻ると、やはり危機対応やネガティブ報道対応だ。確固たるポジティブなイメージというのは、作り出すのは非常に長い期間がかかる一方で、それが失墜するのはほんの一瞬であるということはよく知られている。いくら商品やサービスのことを平常時にうまく伝えていても、危機が発生したり、企業にとってネガティブな世論が形成されはじめたとき、それを適切に対処しなければ、企業としての社会的信用度は地に落ちる。その意味で、企業広報に課せられた最大の使命というのは、「火消し」であり、これを企業内でオペレーションできるかどうかというのは非常に重要になる。


企業の成長と広報の果たすべき役割ということを考えた場合、企業設立当初は、いわゆる宣伝・販促的側面の強い広報をしていくことになる。どんなメディアでも、リソースの限りの露出を図り、知名度を上げていくことが得策で、「商品・サービス広報」主導のアプローチが柱になるだろう。その後、ある程度の認知度が得られると、世論やメディアからも日々注目されるようになり、折に触れて批判の対象ともなる。ここで「企業広報=コーポレートコミュニケーション」の必要性が一気に高まる。そのことを経営陣がしっかりと認識し、企業広報への投資を行なうかどうかが、その後の明暗も左右するような気がする。

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