2008/07/21

不当買収

江上剛さんの文庫新刊「不当買収」を読んでみた。ライトアップされた六本木ヒルズが映し出された表紙の絵に惹かれて手に取ったのだけど、内容もなかなかのもの。


外資系ハゲタカファンドと東証二部上場の製造業の激しいM&Aの攻防が主テーマだけど、随所に当時の時事トピックも散りばめられ、村上ファンドやホリエモンを彷彿とさせるキャラクターが出てきて面白い。


江上さんのデビュー作「非情銀行」を読んでも思ったのだが、元銀行員という同氏のバックグラウンドから、邦銀の背景説明の記述は素晴らしかった。今回も主テーマのM&A合戦に加え、IT企業によるTV局買収、銀行の吸収合併を絡めた展開になっていくのだけど、これがダイナミックでとても楽しめる。


最終的には恋話へと落ち着いていくのだけど、外資系ハゲタカファンドの主人公、その婚約者である非対象会社の社長令嬢、友人の防衛側ファイナンシャルアドバイザーと、登場人物設定にかなり無理があるものの、それがゆえに読みやすいストーリー展開になっているのも事実。三連休最終日の楽しい読書となった。

0 件のコメント: