
与謝野さんはあまり好きな政治家ではなかった。2~3年前の某法律改正において、個人的に正反対の意見を持っていたからだ。しかしながら、本著を読むことで、政治家 与謝野馨の真髄を知ることができ、印象が変わってきた気がする。
「耳障りなことを言うこと」が政治家の仕事であり、必要な局面で必要な発言をし、結果について責任とる、という与謝野さんのスタンスについては好感がもてる。政治家に限らず、リーダーたるものの心得にもつながる。
行き過ぎた市場原理主義や、国民による当事者意識なき官僚および国バッシングへの牽制する主張についても、非常に含蓄に富んだ示唆に溢れている。昨今の極論的な世論の動きに対しては、言葉というものの怖さを指摘しており、「言葉というものは、いったん流通し始めると、深く考えずに使ってしまい、結果的に議論を混迷させることがある」という主張は、コミュニケーションを生業とする自分にとって、いろんな意味合いで重みがあった。
財政的な面からすれば、日本はもう崖っぷちぎりぎりのところでなんとか持っている状態だ。僕らのような若者を含め、国民ひとりひとりが日本という組織の一員であることをしっかりと認識し、当事者意識を持って国政に向き合うことは、日本という国をもう一度国際舞台で光り輝く国にしていくためには最低限の必要条件であろう。
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